第一章のあとがきです。
ネタばれありますので、ご注意ください。
読まれる方はMOREからどうぞ☆
旅立ちまで長かったですね…。
のろのろペースで申し訳ありませんでした。
いきなり堅い文章だったので、一章の最後まで読んで下さった方、
本当にありがとうございました!
この世界の設定ですが、昔々の地球です。
とは言っても、歴史モノではなくて、実在しないパラレルの世界だと思っていただければいいかと。
地球ではないですが、地球をモデルにしています。
時代設定としては、文明がある程度各地に発祥してかなりの年月が過ぎています。
金属を使う技術がどんどん発達している頃ですね。
とは言ってもトゥラスは原始的な生活をしています。
ランプや鉈と言った最低限の生活必需品は、アンサリースさんによって持ち込まれたもので、
トゥラスはそれらを大切に使っています。
なんせ森から出たことないですし、一つしかありませんからね!
トゥラスは言語や計算など、ある程度まではできます。
でもたったそれだけ。
森から出たことがない彼は、世界を何も知りません。
海だって知りません。
しかし森で生き抜いてきた彼は、自然の中で生きることにしたたかです。
そこに秘められた彼の賢さに、チュンオウさんは宝石の原石を見たんでしょうね。
磨けばきっと輝きを増すだろう、と。
トゥラスにとっての兄弟である虎たち。
二頭の子供である白の子虎も、トゥラスの兄弟。
なんだか支離滅裂ですが、それがトゥラスの家族なのかもしれませんね。
庇護してくれる母や父でもなく、守らなければならない甥や姪ではない。
共に狩りをし共に生き、時には共に飢えに耐える。
虎たちと同じ目線で生きてきたトゥラス独自の感性だからこそ、
世代なんて関係なく「兄弟」の一言で済ましてしまうんでしょうね。
上下を区別するならば、年長なら兄、年下は弟、ってくらいです。
トゥラスらしいシンプルな考え方です。
「兄弟」という言葉で充分だと感じているトゥラスは、名前というものにあまり執着がありません。
名前を呼ぶ相手が今までいなかったからです。
トゥラスが言っているように、名前を欲するのは人間だけです。
自然の中にどっぷり埋没して生きてきたトゥラスには、きっと本当に名前なんて必要なかったんですね。
チュンオウに連れ出されたトゥラスは、これから色々なものを見て学びます。
その中で彼の価値観は変わっていきます。
「名前」の価値観も、これから変わっていくことでしょう。
目まぐるしく変わる自然、複雑で独特な人の社会と文化。
これまでの考え方が変わったり、何を考えるべきなのかを考えたり。
トゥラスの成長を見守りながら、
「自然」や「人」「文化」「世界」について、それらは一体何なのかを
みなさんにも再認識しながらお付き合いいただければ幸いです。
第二章は新キャラ登場で、ストーリーに彩りがつき始めます。
トゥラスも第一章に比べ感情が豊かになっていきますので、
第二章もどうぞお付き合い下さいませ!!
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