第二章あとがき
いかがでしたでしょうか、第二章。
いよいよトゥラスの旅が始まりました!
新しい仲間も加わり、ストーリーも進み始めましたね!
第二章では自然界では主に水をテーマに、
そして異文化にも大きく視点を置いてみました。
第一章から始まったトゥラスの旅は、目まぐるしい学びの旅です。
森しか知らなかったトゥラスの世界に、砂漠や熱帯雨林が飛び込んでくる。
世界に圧倒されながら、トゥラスは歩みを続けます。
そこで出会った不思議な文化。
頭蓋骨だらけの不気味な泉、そしてそれを神聖視する青年リビ。
一見背筋が凍るような奇妙な泉は、リビの語りにより神聖なものへと一転します。
そんな驚きや感じ方の変化が、文化を知るということではないでしょうか。
きっとこの世界には、私たちの知らない、それこそ本当にびっくりするような思想や思考を持った人々や文化がたくさんあるんでしょうね。
作中にもあったように、旅の途中でチュンオウはトゥラスにこう諭しました。
旅人は故郷の文化を誇りに思いながらも、常に外の文化や規則も受け入れられる寛容な心を持て、と。
まさにその教え通り、トゥラスは実行します。
先に名乗るのが礼儀だというリビの文化は分かるけれども、こちらにもこちらの文化がある。
だからこそトゥラスは「悪いな。俺はそんなしがらみのあるところでは育ってないんでね」なんて言って、押しつけられたリビの文化を跳ね返す。
けれど、リビの文化を否定することなく、しっかり受け入れ自分も名乗る。
トゥラスはトゥラスのやりかたで、多少荒っぽいですが他の文化を受け入れる姿勢を作りつつあるのです。
森で人との交流のなかったトゥラスにとって、かなり大きな成長だと私は感じています。
さて、新たな仲間リビが加わり旅は続きます。
犬猿の仲のようなトゥラスとリビは、これからどのように旅を共にするのでしょうか。
チュンオウは何をトゥラスに教えてゆくのでしょうか。
次章もご期待下さいませ。
ところで、リビの故郷の小難しい名前についてです。
ニンアズとかチシュパクとかニンギシュジダとかディンギルです。
これは古代メソポタミアの言葉を借りました。
どれがどういう意味を示しているかについては、また追々裏話にでも載せてみようかと思います。
次章はトゥラスが活躍しますよ!
リビも加わった旅は、どういう方向に進んでいくのでしょうか?
それでは、三章もどうぞお付き合い下さいませ。
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